【インタビュー】FC今治が明かす「あのジャイアントキリングの真実」

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30
03月
2013


(写真:左から青木誠事務局スタッフ、木村孝洋監督)

愛媛FCしまなみから運営を移管された1年目の2012年シーズン、FC今治は、当初は3人しか選手が集まらなかったにもかかわらず、四国社会人リーグで優勝を果たした。また昨年の天皇杯2回戦では、J1王者のサンフレッチェ広島を倒す、ジャイアントキリングをやってのけた。チームの公式マスコットにゆるキャラのバリィさんが使われていることでも話題を呼んだ。FC今治は今シーズン、リーグ連覇、そしてJFL昇格に挑む。

 ■あのジャイアントキリングの真実

-昨年の天皇杯2回戦の広島サンフレッチェ戦が一番注目されたと思いますが。

木村孝洋監督(以下、木村):反響には少し驚きました。勝ったことで色んな人が声をかけてくれるようになりました。それこそチーム名も全然知らないし、サッカー好きの人がサッカーをやっているなと散歩している人が見ていましたが、やはりその後っていうのは「すごいですね。頑張ってくださいね」と朝早くから声をかけてくれるようになりました。

メディアにも少しは取り上げてもらえるようになり、選手にとっては自信につながったと思います。

 

-勝算はどれほどありましたか?

木村:普通に確率で考えれば、我々が勝つ確率は低いというのは選手に伝えていました。ただ、サッカーという競技は何が起こるかわからないというか、勝敗に関しても必ずこちらのチームが勝って、必ずあちらのチームが負けることはないです。

例えば、力関係で言うと4:6ぐらいの関係だったら、4のチームが6のチームを倒すことは、サッカーでは十分あるので、4の力までなんとかレベルアップさせようと春からずっとやっていました。そうすれば天皇杯でやった時も何かが起こる可能性があるよと、実際に何かが起こった結果だと思います。

 

■森崎和幸からの年賀状

-木村監督はサンフレッチェ広島でも指揮を執られていて、ユース時代から森崎兄弟を指導されていましたが、彼らのプレーのクセを知っていたことも勝利の要因になりましたか?

木村:森崎兄弟はユースの時から知っていますから、どんなプレーが得意で、どういった時にどういうプレーをするかは知っていました。ですが、サンフレッチェ広島がリーグ戦のようにスタメンの選手を出してくるとは予想していなかったです。

でも、実際は佐籐寿人や高萩洋次郎が出てきてくれたので、選手たちにもやる気が生まれました。選手たちが教えていたとおりのプレーをしてくれて結果につながりました。

結局はサッカーに対する思いが強いほうが最後は勝ちますよね。それから天皇杯の後に森崎和幸から届いた年賀状には、「今治に負けたことでサッカーに対する想いを改めて考えました」と書かれていました。そういうこと考えると、あの兄弟は人間ができています。人間性がプレーに出るからああいう選手は他とは違ってくるんですよね。

 

-あの試合が2012年最大のジャイアントキリングだと思いますが、試合後はどのような感じでしたか?

木村:感想としては、うちが勝って選手が喜んでいました。ジャイアントキリングという事実がありましたが、他の結果がまったく分からず、うち以上のジャイアントキリングも可能性としたらあるので、そういう捉え方はしていなかったです。

自分たちのゲームをやる時に何かが起こる可能性があります。チームとして例え力関係が4:6ではなく3:7あるいは2:8だったかもしれませんが、やればできるという自信を選手たちが感じてくれればいいなと試合直後には考えました。

次の試合はどこと対戦するのかなと、次の試合に向けてじゃあどうしなきゃとか、翌日に四国リーグの大事な試合があって、翌日に勝たなきゃいけないと思ったから選手の疲労を考えると、頭はすぐに現実に戻っていました。

 

-サンフレッチェ広島に勝った後の選手たちは?

木村:浮かれてはなかったですが、大喜びはしていました。それこそ涙流して喜んでいる選手の姿もいっぱい見ましたし、これまでになく興奮している選手の姿を見て勝つっていいなと本当に率直に思いました。

 

-そういったところが監督としてやっていく上でのやりがいになりますか?

木村:一番のやりがいというのは、目標を達成した時だとは思いますが、一試合に勝ったから、負けたからというので一喜一憂したくはないです。ただ、ジャイアントキリングのタイミングを考えると1年間に1回か2回しかないわけですから、そういう意味ではいいタイミングですごい仕事を選手はやってくれたなという興奮はありました。

【次ページ】バリィさんが使われた経緯

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