日本人初!ブラジルリーグ10代GK磯部和彦の軌跡。

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05
02月
2014

湘南ベルマーレを退団後、新天地をブラジルに求めた1人の日本人GKがいる。2013年にブラジル・サンパウロ州に本拠地を置く、CAタボン・ダ・セーハ(セリエB所属)とプロ契約を結んだ磯部和彦である。(現在はCAジュベントス『セリエA3所属』にレンタル移籍中。)10代の日本人GKが、プロ選手としてブラジルリーグのピッチに立ったのは初めてのことである。

磯部は京都府出身の19歳。東京ヴェルディジュニアから、選手としてのキャリアをスタートさせる。ヴェルデイ時代の同期には、今年1月に行われたAFC U-22アジアカップに背番号10を背負って出場し、3得点を記録した中島翔哉
らがいる。その後14歳で湘南ベルマーレユースに籍を移し18歳まで過ごすが、チームからプロ契約のオファーを受けることはなかった。

チームを退団後、母校のグラウンドや社会人チームの練習に飛び入り参加するなど、満足な練習環境さえ得られなかった磯部は、知り合いの紹介を辿りブラジルに渡ることを決意する。2度目のブラジル渡航となった、2013年5月。セレクションでのプレーがタボン・ダ・セーハのフロント陣の目に留まり、幼少期からの念願であったプロサッカー選手となった。

デビュー戦となった7月20日のサンパウロ州カップ戦、対イタぺヴィ戦では相手攻撃陣の攻撃をシャットアウトし、チームの1対0の勝利に貢献。22日、24日のカップ戦でもクリーンシートを記録し、上々のブラジルデビューを飾った。しかし、リーグ戦では選手登録が間に合わず、登録期間を待つ間にチームは敗退し、シーズン終了。オフ期間中には、より上のカテゴリーのチームへの売り込みに奔走するが、人生初となる大きな病に侵され、1ヶ月間の“絶対安静”宣告を受ける。その後体調は無事回復したが、本人曰く「激動だった」というブラジルでの1年目は幕を閉じた。

年が明けた2014年。磯部は自身が望んだ「より上のカテゴリー」のチームCAジュベントスへのレンタル移籍を果たした。CAジュベントスはサンパウロ州に本拠地を置く、かつて三浦知良や浦和レッズダイヤモンドで活躍したポンテの他、元セレソンDFのルイゾンも所属した、今年創設90年目を迎えた古豪チームだ。「今年の目標はリーグ戦に出場すること。先の目標としては、ブラジル開催されるリオ五輪の日本代表に選ばれることです。選手としてプレーできない時期もありましたし、ブラジルでの生活も戸惑うことばかりです。しかし、若い内に苦労を経験できていることは必ずプラスになると思ってます。今は少しずつ階段を登っていけている、という手応えがあります」と磯辺は語る。

今後は、2月3日にスタートしたサンパウロ州選手権より、ジュベントスでのデビューを目指す。ジュベントスで正GKを争うのは、前コリンチャンス所属、前グレミオ所属と、ブラジル国内でも有数のビッククラブでの
経験値の持つ2選手となり、磯部には熾烈なポジション争いが待っている。ブラジルでの愛称である「カズ」を、より一層聞く機会が増えるような活躍を期待したい。

磯部和彦:経歴集
2005年-東京ヴェルディジュニア
2007年-東京ヴェルディJr.ユース
2009年-湘南ベルマーレU-15
2010-湘南ベルマーレユース
2012年 -湘南ベルマーレ ※2種登録
2013年- CAタボン・ダ・セーハ(ブラジル)
2014年-CAジュベントス(ブラジル)

この内容の書き下ろしが「南米と日本をつなぐ者達」(ギャラクシーブックスより6月頃出版)に収録されます。

 

 

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