【特集】MIOびわこ滋賀を大きく変えた鈴木GM「今年がターニングポイントになる」

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02
09月
2015

MIOびわこ滋賀鈴木GM
写真:MIOびわこ滋賀鈴木GM)

滋賀県初のJリーグ参入を目指すMIOびわこ滋賀。今シーズンから本気でJリーグを目指すにあたり、チームを大きく変化させている。一つ目は昨年の10月から外部役員としてチームに招聘されていた、鈴木信哉氏が今年の1月から取締役専務兼GMに就任。そして昨年からメンバーを大幅に入れ替えた。今回、鈴木氏にチームの目標や、現状、さらには今後の課題などについて話を聞いた。

−目指す場所はJリーグだと思いますが、現状の課題について
鈴木信哉氏(以下、鈴木):皆さん噂で聞いたことがあると思いますが、一番は関西サッカーリーグに所属するレイジェンド滋賀さんとの合併問題です。うまく歯車が合っていない部分が多いのが現状です。

 

−歯車が合っていない?
鈴木:一番はカテゴリーの違いです。MIOは現在JFLで、Jリーグを目指していて、レイジェンド滋賀さんは地域リーグでJFLを目指しています。そこで少し温度差があって、無理に合併する必要はありませんが、滋賀県サッカー協会からは合併する方向で進めてほしいと言われています。

 

−鈴木さんやクラブは合併に対してどう考えている?
鈴木:MIO側としてはwelcomeです。7年間JFLで戦ってきた経験もありますし、合併後はJFLからスタートしたいと考えています。滋賀県がそこまで大きな街ではないので一つになった方が良いと思います。色々なしがらみはあると思いますが、そこは臨機応変にやっていきたいと思います。

 

−Jリーグを目指すにあたってスタジアム問題はどう捉えている?
鈴木:2024年に滋賀県で国体が予定されていて、1万5千人以上が着席できる競技場が彦根にできるという話が出ています。J2のスタジアム要件もクリアできる競技場だと思いますが、我々は2017年にJリーグ参入を目指しているので、そこまで待っていられないというのはあります。ここから5年以上かかってしまうと周りの方々も飽きてしまうところがあると思います。
布引グリーンスタジアムがJ3のスタジアム要件をクリアできるぐらいの競技場になってきているので、まずはそこがホームスタジアムになります。東近江市さんが非常に協力的なので、しっかりと自分たちも力をつけていかなければいけないと思います。

 

−現在のホームタウンは?
鈴木:今は、東近江市と草津市ですが、ゆくゆくは滋賀県全体をホームタウンにしたいと考えています。Jリーグを目指すという漠然とした目標だけで開拓していくのではなく、納得していただけるような環境を整えて広げていきたいと考えています。三日月大造滋賀県知事も、合併が叶えば応援すると話してくれているので、まずは環境を整えたいと思います。松田保滋賀県サッカー協会会長も、一つになることを願っておられると思います。

 

−Jリーグに向けての経営面はうまくいっている?
鈴木:サッカーに詳しくない方に向けて一般的に言うと、Jリーグじゃなければ地域リーグもJFLも一緒だと考えられています。僕も野球からこの世界に転身するまでわからなかったです。蓋を開けてみれば、地域リーグからJFLに昇格するのは本当に大変なこととわかりましたが、地域の人が全員それを理解しているわけではないです。これも合併の話につながりますが、一つになればスポンサーもその分増えますよね。今は2つのクラブに応援が分散されているので、そこも一つになれば大きくなると思います。

 

−モデルにしているクラブは?
鈴木:松本山雅FCさんです。一つの喫茶店からスタートしたクラブが最短でJ1まで行って、本当に良いモデルです。松本山雅さんを目標にしています。鹿児島ユナイテッドFCさんや奈良クラブさんはJリーグを目指していて、サポーターが凄い。何が違うのかなあと考えさせられるところはありますね。ただ我々よりも必死さは伝わってきますし、組織もしっかりしているなと感じさせられる部分はあるので、まだまだ力不足、行き届いていない部分はあるのかなと思います。

 

−地域密着型のクラブを目指す中で、何か具体例などは?
鈴木:ゆくゆくは、滋賀県出身や滋賀県にゆかりのある選手たちばかりのチームにしたいという考えはあります。滋賀県は良いポテンシャルを持った選手も多いですし、レアルマドリードの下部組織で活躍する中井卓大くんや、京都サンガF.C.からオーストリアのザルツブルクへ移籍した奥川雅也選手など、世界で活躍する選手たちもいます。今も滋賀県出身のJリーガーは26選手もいるので、不可能な目標ではないと思っています。

 

−鈴木GMは今のチームをどう見ている?
鈴木:僕の中では手応えを感じています。MIOは異色な部分があって、サッカーが上手いだけでは入れなくて、私の最終面接があります。そこで受け答えであったり、話し方であったりをチェックして、基準に達せなければチームにはいれていません。現場がこの選手が欲しいと言ってもそこはしっかりチェックしています。良い人選はできていると思います。蓋を開けてみればちょっと甘かったなと思う部分もありますけど。今年から午前練習に変わって、選手達は色々な知り合いの社長さんのところで昼から働いています。製造業ではなく、コミュニケーション能力を鍛えるために、接客業で働いてもらっています。あとは営業と福祉ですね。

 

−選手たちの労働環境が、良い意味でプレーに影響している?
鈴木:福祉で働いていたり、接客業で働いていると「ありがとう」といってもらえる回数が増えます。トゲトゲしかった選手たちが丸くなって、プレーにも影響は出ています。前期ではひとつのプレーに対してカリカリしていた選手も、落ち着いてプレーするようになりました。昨年は大差で負ける試合などが多々ありましたが、今年はその辺がなくなりました。昨年は得失点差でマイナス20以上あったのが今年はここまでプラスですし、良い方向に進んでいると思います。

 

−昨年のチームから大幅にメンバーが変わった理由は?
鈴木:まずは試合中の態度と、それ以外の生活態度を見ました。あとはチームで茶髪、髭、ピアスを禁止にしています。地域に根付いてやっていくと決めた以上、チャラチャラしていてはダメだと思います。ユニフォームにも行政(東近江市、草津市)がついています。チャラチャラした選手がその名前を背負って、プレーしているのを見たら、行政はあんなところに支援しているのかと思われます。僕はそんなことは絶対に許さないです。身嗜みをまず整えました。規律をしっかりと見直しました。その中で合わない選手には退団してもらい、下手でもいいから本気でJリーグを目指せる選手、気持ちでプレーできる選手を獲りました。

 

−普段の生活態度がプレーにも影響する?
鈴木:ここぞというときに力を発揮できる選手は、普段の生活からしっかりしていると思います。ミスする選手はやっぱりなと思われることが多い。ミスをしてもみんなが納得できるというのは団体スポーツの基本だと考えています。やっぱりなと思われるとみんな悔いが残ってしまう。ミスしても「お前だけのせいじゃない」という雰囲気で今はチームができています。言葉ではなく、態度で示せています。

 

−サッカーだけではなく、仕事も重要視している?
鈴木:セカンドキャリアのことは考えています。Jリーグとはプレーする環境が違いますし、上からでいうと4部リーグになります。選手達はよっぽどじゃない限り、J1、J2に返り咲くことは難しいと思います。チームごとJリーグに昇格させるという目標を持ってプレーすることは大切ですが、僕たちはセカンドキャリアのことを考えてあげなければいけないと思います。

 

−なぜ選手のセカンドキャリアにこだわるのか?
鈴木:野球だと、プロ野球選手になれなかったり、硬式から軟式になるタイミングなどで、自分の人生を見つめ直せますが、サッカーは地域リーグでもプロ契約があって、どんどん下のカテゴリーでのプレーを選択することができます。いつのまにか歳をとっていってしまい、いざサッカーを離れたときには何も残っていない状態になってしまいます。色々な地域に移籍して、地域に根付いた人脈を作ることができない選手も出てきているのが現状で、そこは何とかしたいと考えていました。MIOの選手は全員就職に近い形で働かせていただいています。また地元に帰っても働けるようにチェーン店で働いてもらうとかも実施しています。

 

−最後に鈴木GMの夢や目標とは?
鈴木:まずはMIOびわこ滋賀のJリーグ参入です。自分にしかできないことはたくさんあります。ぼくは野球界を経験してから、サッカーチームの運営に今携わっています。野球の良いところをサッカーに取り入れるようにしています。将来は自分がお世話になった、野球界にも恩返ししたいです。サッカーチームの運営の仕方や経営の方法はやっぱりすごいと思います。だからここで学んだことを次は野球界に持ち込みたいと考えています。

 

(取材・文:澤田悠樹)
※取材日7月31日 

 

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