【インタビュー】INAC神戸・仲田歩夢「プロ2年目の苦悩と東京五輪」

レフティーのサイドアタッカーとして、切れのあるドリブルが持ち味のMF仲田歩夢(20)は、中学3年生から各世代の代表に呼ばれ、日本で開催されたU-20W杯にも主力の1人として参加。常盤木学園高校時代は、2、3年時にチャレンジリーグEAST(なでしこ2部)で高校生チームながら2度の優勝を経験した。そんな輝かしい青春を送ってきた彼女は今、所属するINAC神戸レオネッサでベンチにも入れない日々を過ごしている。人の心を掴む優しい笑顔の裏で思い悩む胸の内、そして、2020年に開催が決まった東京五輪への想いを聞いた。

■自国開催の2020年の五輪とU-20W杯 

-2020年に東京五輪の開催が決まりました。

仲田:その頃まで間違いなくサッカーを続けているはずなので、意識はしています。自国で五輪が開催されることは、「一生に一度あるか、ないか」なので。

-同じ自国開催で、U‐20W杯も経験されましたね。

仲田:メディアにあれほど大きく取り上げられると思っていなかったし、世間からの注目も想像以上でした。決勝は3万人以上(31,114)の観客の方が国立競技場に詰めかけてくれて、その光景は今まで見たことがなく、目に焼きついていますね。なによりみなさんの声援があれほど自分たちの力になるものなんだと改めて気づけた大きな経験でした。

■ポムって呼ばれますが・・・

-美人アスリートとして一躍有名にもなりました。どのように感じていましたか?

仲田:私はそういう風にメディアに取り上げられるのは、すごく嬉しく思っているというわけではなくて、やはりアスリートなので、1人の選手として見てほしい気持ちはありますね。

-ポム(歩夢)というニックネームも、ファンの一部に定着したようです。

仲田:正直、「仲田選手」や「あゆちゃん」のほうが嬉しいですね(笑)。

-銅メダルも獲得しました。今振り返ってどうですか?

仲田:嬉しかった大会か、悔しかった大会かと聞かれれば、間違いなく悔しかった大会でした。チームとしてメダルを獲得できたことは心から嬉しかったんですが、個人的なことで言えば課題と悔いが残ったW杯でもありました。

-オウンゴールもありました。苦い経験だったと思います。

仲田:あの場面では、慌ててしまって良い判断ができなかったため、あのような結果(オウンゴール)を生んでしまったのだと思います。それでも、0-2の場面からチームメイトの(田中)陽子と(道上)彩花がゴールを奪って引き分けに持ち込んでくれたことは、今でも感謝しています。実はめちゃめちゃ凹んだんですけど、チームメイトが声をかけてくれて、気が楽になりましたね。

■好きな恋人に出会えたら・・・

-7年後は、26、7歳です(誕生日は8月15日)。女性として、結婚等考えてもおかしくはない時期でもありますね。どのように考えていますか?

仲田:どうなんだろう(笑)。その時には、まだ結婚はしてないと思うんですけど、想像できないですね。今、そういう相手がいれば考えられるかもしれないんですけど、(恋人が)いないので、考えにくいです(笑)。出会えてから考えます(笑)。

 

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