内田の優しさ、長谷部のストイックさ 知られざるリハビリ秘話

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19
06月
2014

ワールドカップイヤーである今年の冬、ザックジャパンのスタメン2選手に悲劇が起きた。日本代表主将の長谷部誠(30)と不動の右サイドバックの内田篤人(26)だ。

長谷部は右膝の半月板損傷、内田は右膝のじん帯の部分断裂で、それぞれ全治2~3カ月という重傷だった。

W杯を数ヵ月後に控え、開幕までに間に合うのか心配をされたが、見事に登録メンバーの23人に名を連ねた。両選手がベストの状態ではないにしろ、5月には開幕直前の壮行試合に出場。内田に至ってはキプロス戦で、元気な姿のみならずゴールまで披露した。

ただそこには、長く苦しいリハビリの日々があった。両選手とも日本に帰国し、国立スポーツ科学センター(JISS)でリハビリを行っていたのだが、3週間共にリハビリを行った、INAC神戸所属の平野里奈(19)がその時のエピソードを明かしてくれた。

 

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■内田、長谷部との出会い

初めての場所に1人で来て何も分からず、リハビリルームへ入ることすら戸惑っていた平野に、たまたまリハビリのスタート日が同じだった内田から「何の競技の選手?」と声を掛けてもらったのが、親しくなるきっかけだった。

「『サッカーです』と答えると、『じゃあおれのこと知ってるかな?』と聞かれました。『もちろんです。内田選手ですよね?』と言うと、『分からないことがあったら何でも聞いてね』、と。そのおかげで、かなり緊張がほぐれました」

すぐに内田と打ち解けることができ、後にJISSでリハビリをすることになった長谷部や大津祐樹(24)を紹介してもらった。同じ静岡県出身で、高校もすぐ近くだったことを知った長谷部からは「今日から後輩だな!」と言われたという。

 

JISSには、リハビリ施設のみならず、宿泊施設や食堂、病院など、短期でリハビリに専念できる設備が整っているため、サッカー選手のみならずあらゆるスポーツ選手が日本中から集まってくる。

サッカー選手とは話すようになったとはいえ、他競技の選手とはなかなか交流できなかった平野。その様子を見た内田と大津が「平野の友達を作ろうプロジェクト」なるものを立ち上げた。昼ご飯を食べている他のスポーツ選手の席に3人で駆け寄って、突撃で一緒にランチをするといった気遣いをしてくれたという。

その甲斐あって、バドミントンや新体操の選手など、たくさんの知り合いができ、リハビリ生活を楽めるようになった。


長谷部もそのプロジェクトに誘っていたのだったが「おれは、リハビリをしにきているから」と、拒否。「まじめかっ!?」と2人がツッコむ。「長谷部さんの発言や行動に、内田さんと大津さんがやたら『まじめかっ!?』と突っ込んでいて、それが本当に面白かったです」と平野は笑う。

その2人の行動がきっかけで、平野のみならず、他の選手同士も仲良くなっていき、みんなで一緒に外にご飯を食べにいくまでになったという。

「長谷部さんも内田さんもストイックにリハビリに取り組んでいました。その姿に背中を押され、がんばることができました。その一方で、内田さんとかはふざけ合ったりしていて、明るい雰囲気を作ってくれていました。リハビリの大変さを分かってくれているからこそ、私たちが自分を追い詰めすぎないよう、リラックスさせてくれたんだと思います。本当に優しい人ですね」

 

【次ページ】励みになった内田の言葉とは

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  • date:2014/06/19 10:52